受験は挑戦の連続だが、ギャンブルじゃない。

これから迎える受験というものを子供が理解していないのは当然だ。経験していないのだから、それをどうやってわかれというのか。だからこそいろいろとああだこうだというが、何事も実際にその時を経てみないと本当の意味で実感することはできない。神様じゃないんだし、ましてや年端もいかない子供達なのだから。

しかし、大人は違う。

少なくともこの日本で過ごしてきた以上、多くの人が受験を経験しているはずだ。

なのに、なぜ子供達に過度の期待と負担をかけ、結果的に自己肯定感をふみにじる時間を過ごさせているのか。あるいは親がそう導いたのではなく、子供本人がそう望んだとしても前述したように子供はまだそれをわかっているわけではないのだから、それは今の段階では違うとなぜ言えないのか。

もちろん子供の可能性は未知数だ。なにがどうなるかわからない。同じように、いつ暗闇の世界に落ちていくかもわからない。子供を信頼するという一方で、信じ切らないことも勇気ではないのか。我が子を我が子としてみることができるのは親しかいない。他人は他人なのだ。

あの塾の合格実績はすごい。あそこにいっているとトップ校受験も夢ではない。上位校に行くならあの塾がノウハウを持っているし、そこを目指す子達が集う環境に身を置くことが子供にとって刺激となる。

まったくもってその通りだ。

が、しかし、受験は検定とは違い基準点をクリアすれば合格できるというわけではない。ましてやギャンブルでもない。

定員というものがある。自分より上のものがいたら合格できないのだ。

相模原市内の公立中に在籍する中3生の数は、今年5月1日現在で5,935人になる。全員が公立を受ける訳ではないし、市外の高校を目指す子もいるだろう。その逆も有り得るし、私学から公立へという子もいるので正確な数字云々ではなく、そのイメージとしてとらえてほしいのだが、例えばこの地区トップ校の県立相模原高校の定員は278人、つまり市内中学生のおよそ5.1%にあたる。これは県相だけでなく、どの地区でも同じような数字となる。もう少し正しくいえば、定員はそのように割り当てられているのだ。

5%、つまり1学年5クラス30人学級であれば7~8人という数字だ。つまり1クラス2人未満である。各地区のトップ校に集う子達というのはそういう子達の集まりなのだ。大学受験にいたってはさらに厳しい世界となるのは必然だ。

そこにチャレンジすることを否定する訳ではない。それは素晴らしいこだ。

が、挑戦するには挑戦する準備と資格が必要だ。特に公立高校受験は内申点という足かせがある。制度のことをとやかくいっても仕方ない。その制度の中でうまく生きていくことも大切なことだ。その内申点がある以上、事前にその高校にチャレンジすることができるかどうかは、別に我々のようなプロでなくても十分に察知できる。そもそも我が子はクラストップの成績なのか。あるいはそこまでの準備を日頃しているのか。その子達は何もせずにその位置にいるのでは、断じてないのだ。

パチンコ屋はなぜ儲かるのか。

アタリに群がる人が多いからだ。確かに一部の人は大当たりで喜ぶだろうが、そんなものはごく一部であってしかもそれは長く続かない。当たり前だ。もし全員にアタリを出していたらあんな一等地に、しかも馬鹿デカい駐車場を完備し、電気を湯水のように使い、最新機器を常に入れ替える営業などできるわけがない。しぼりとってナンボの世界だ。客もそれをわかっているはずなのに、抜けられない。が、一歩冷静に離れてみてみれば、なんと愚かなと思うだろう。子供をパチンコ屋に連れていく親なんていてもごくわずかだろう。そりゃあそうだ、勝てるわけがないとわかっているのだから。

そして、店側はそれをわかっているからどんどんアピールする。店は笑顔で迎え入れるが、心の奥ではほくそ笑んでいる。それに乗っかって散財するのはその人の勝手だが、人にまで押し付けるのはやめていただきたい。

この業界も同じなのだ。

そうやって上位校実績をかかげて、それにつられてやってくる中間層から下位層こそが本当の狙い。なぜなら本当にトップ校に入れる子だけを相手にいるのであれば商売になるはずがない。どの地区でも上位5%しかいない顧客ターゲットなのに、なぜそれほどまでに多店舗展開できるというのか。少し考えれば誰だってわかることではないか。

そういう子供達をウラでは「お客さん」と呼んで、とにかく辞めないようにお金を落としてくれるように誘導する。やればできる、これからです、まだまだ本領を発揮していません・・・。どれもまったくもってその通り。だが問題は、その指導を言葉に責任を持って日頃しているかどうかだ。

冒頭で多くの大人は受験を経験しているはずだと述べたが、この業界はそれを経験してきてその裏側を知っているからこそ、そこにつけ込む輩もいるのだ。

子供をいい環境の塾の入れることと、やみくもに実績だけ、トップ校受験がいいというだけ、周りが行っているからというだけでその塾に入れることはパチンコ屋に子供を入れることと同じことだ。ならば、近いから等の理由のほうがまだいい。

結果、子供は自己否定感のかたまりとなる。

パチンコはギャンブルですらない。完全なる運だ。いつかはアタル時もあるだろう。しかし、受験は違う。大人達は自分が経験してきているのだからわかる部分も多いはずだ。それなのになぜ見えなくなってしまうのか。子供以上に冷静な目を持つことが受験期の親には求められるのではないか。

トップ校受験を目指す、いや今の自分以上の力を発揮するために挑戦することは決して悪いことではないし、むしろ勧めたい。であるならば、もっと適した塾がいっぱいあるだろう。

前述したように、もともとのパイが少ない戦いなのだから、それを本当の意味で実践できるのは小さな塾でしか成り立たない。だからこそ大手に嫌気をさし独立した良識と実力のある講師達がそれを我が手で実現している。そういう塾では形だけの入塾テストではなく、しっかりとした準備と資格を持つ子を挑戦させるために振り落とすこともある。一見残酷なようだが、ある意味とても良心的だとも思う。また、現成績や残り時間、志望校などを総合的にみてお断りすることも責任をもった言動だと思う。

何より、そのような塾では仮に目標校に届かなくても決してお客さん扱いなどしない。だから受験に失敗しても胸をはって次のステージに向かって子供達が羽ばたいていく。そういう塾は探せばいくらだってある。ましてやネットの時代だ。勝手に向こうから飛び込んでくる情報だってあるだろう。

例年この時期になると転塾生としての問い合わせを多くいただいく。いま気が付いて良かったと思う。入試はすぐそこだが、今からならまだ自分を取り戻せる。

全力でサポートするのみだ。

https://sagamihara.keishoseminar.com/

投稿者: keishoseminar

中学受験・高校受験「慶翔ゼミナール」 相模原市中央区相模原2-12-21 JR相模原駅 南口から徒歩5分、住宅街にある学習塾です。 自宅1階を改装し、妻と2人で全塾生を指導します。 今年で開塾18年目となります。朝塾、やっています。

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